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植物生産における光に関連した単位
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作成: 東海大学 星 岳彦
参考文献: 稲田 勝美編著、光と植物生育、養賢堂
林 真紀夫、光に関する物理学用語、SHITA REPORT 8、日本植物工場学会
植物の成育を左右する環境条件として、光は大変重要です。植物生理学や栽培学の分野では、これまでは照度という単位を使って植物に与えた光条件を定量化してきました。昔は、人間工学的な用途で多用されて安価であった照度計が使用されたためであると考えられます。しかし、これは適当な方法ではありません。また、環境工学の分野では、短波放射束密度(または光合成放射束密度)を使用する場合が多かったのですが、これも、エネルギーの単位ですので、あまり正確ではありません。最近では、光合成光量子束密度(PPFまたはPPFD)を使用するのが、光合成に関連する光環境を表現するために、より適当であると考えられています。しかし、過去に実験された値を活用するためには、照度などがPPFに換算できると便利です。このページでは、JavaScriptを使って、参考文献にある光源ごとの光環境に関する単位換算が実行できるようになっています。ぜひ、ご活用ください。
目 次
光環境と単位
各種光環境単位の換算
単位換算シート
光環境と単位
ここでは、放射束密度、光合成光量子束密度、照度の各単位の意味について説明します。
図 光の波長と色の関係(星原図)
図 各波長における単位エネルギあたりの感度の相対値(林、1996)
(A)放射束密度
各波長ごとのエネルギ強度を足し合わせたものが、放射束密度である。したがって、どの波長でも特性はフラットである。しかし、センサの特性により、200nmから3000nmの短波放射(6000K)と、3000nmから80μmの長波放射(300K)に大きく分けられる。そこで、光合成に有効な波長域を含む放射束密度は、短波放射用の放射センサで測定されるので、それを短波放射束密度という。更に、光合成に有効な400nmから700nmの波長範囲だけを通すフィルタを使って測定した放射束密度のことを光合成放射束密度と呼ぶ。単位は、Wm
-2
やcal cm
-2
min
-1
等を使用する。このページでは、Wm
-2
を使用する。ちなみに、1.0Wm
-2
≒0.0014cal cm
-2
min
-1
である。
(B)光合成光量子束密度(PPF、PPFD)
エネルギーではなく、光の粒子である光量子(光子)の個数で表現した単位が光合成光量子束密度である。光合成は葉緑素に入射する光量子の数によって左右される。一般に、1分子の二酸化炭素(炭酸ガス、CO
2
)を光合成で消費するためには、8から10個の光量子が必要とされている。そこで、葉緑素の吸収波長域である400nmから700nmの波長での光量子が単位時間・単位面積あたりに入射する個数を示したのが、光合成光量子束密度である。エネルギ的には、e=hν(e:エネルギ、h:定数、ν:周波数)という関係があるので、波長が短く(周波数が高く)なるほど、エネルギは比例的に高くなる。単位は、μmol m
-2
s
-1
である。1molは、6.02×10
23
を表す。また、古い文献では、molがE(アインシュタイン)という呼び名になっている場合もある。
(C)照度
人間の目は、555nmの緑付近の波長の光を感じる感度が最も良く、それから、波長が赤や紫に近づくほど鈍くなる。つまり、橙、黄、緑あたりの感度が良く、赤、青、紫などの感度は低い。このため、家庭や職場などに適切な強さの照明を設計する場合には、人間の目の感度に合わせたカーブ(比視感度曲線)を持った明るさの単位が必要である。これが照度である。単位は、lx(lux、ルックス)である。1cd(キャンデラ)の光度を持つ光源から1m離れた面の明るさが1lxになる。従って、照度は植物の光合成とはなんら関係のない単位であり、この単位を用いて植物の光環境を評価する事は、現在では問題があるといわざるを得ない。
各種光環境単位の換算
まず、光源の種類を調べ、ここの項目
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
から近いものを選んで下さい。続いて、この下の表のいずれかの項目のひとつに数値を入力して下さい。他の項目は空欄にしておいて下さい。記入し終わったら、
ボタンを押してください。すると、下記のように各種の単位換算ができます。もし、もう一度やり直したいときには、
ボタンで、記入欄を消去できます。
項目
光合成放射束密度
光合成光量子束密度
照度
単位
Wm
-2
μmol m
-2
s
-1
lx
(換算式は、稲田(1984)を参考にした)
単位換算シート
光源の種類を指定して、どれか一つの欄に数値を入れ、「計算」ボタンを押すと計算できます。
項目
光源
光合成放射束密度
光合成光量子束密度
照度
単位
Wm
-2
μmol m
-2
s
-1
lx
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
自然昼光(日中の全天放射6500K)
白熱電球(2800K)
蛍光燈 Cool White(Sylvania)
蛍光燈 Warm White(Sylvania)
蛍光燈 白色(日立)
蛍光燈 昼光色(日立)
蛍光燈 Gro-Lux(Sylvania)
蛍光燈 植物用BR型(日立)
蛍光燈 純青色(三菱)
蛍光燈 純緑色(三菱)
蛍光燈 純黄色(三菱)
蛍光燈 純橙色(三菱)
蛍光燈 純赤色(三菱)
水銀ランプ 植物用HF型(日立)
水銀ランプ 一般用HF型(日立)
メタルハライドランプ 陽光ランプ(東芝)
メタルハライドランプ BOCランプ(三菱)
高圧ナトリウムランプ 一般型(日立)
高圧ナトリウムランプ 演色性改善型(三菱)
キセノンランプ(ウシオ)
(換算式は、稲田(1984)を参考にした)
Copyright (C) 1996 Takehiko Hoshi, Tokai University, Shizuoka JAPAN